神経衰弱様状態
統合失調症の発病初期には、神経衰弱様状態が見られることが多いです。
すなわち、患者さんは主観的には抑うつ気分、思考力・記憶力の低下、頭重、頭痛、倦怠感、易疲労感、不眠などを訴え、客観的にも口数が少なく行動が不活発になり、家に閉じこもりがちになります。身辺の出来事に対する興味が減少し、周囲の事象が生き生きと感じられないという離人体験が見られることもあります。強迫症状、抑うつ状態を示すこともあります。
このような統合失調症の初期には、まだ統合失調症に特徴的な症状が出現せず、神経症、うつ病に類似した症状が見られる時期があり、とくに破瓜型の症例ではこの傾向が強いので、この時期には神経症、うつ病などと誤診されることがあります。
しかし、詳しく観察すると、統合失調症初期の神経衰弱状態では、神経症やうつ病に比べて患者の訴えに深刻味が少なく、症状に不自然さがみられます。例えば統合失調症の初期には学校や職場を休むようになるのが特徴ですが、その理由がはっきりしない場合が多いです。神経衰弱様状態期の長さは症例によって異なり、急激に発症する緊張型では明瞭に認められないこともあります。