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統合失調症の本当の原因−素因(脆弱性)+ストレス仮説

統合失調症の原因について、本当に科学的な実証的研究がされるようになったのは、19世紀後半になってからで、アメリカ合衆団や北ヨーロッパで行なわれました。
その方法は、双生児研究、養子研究、高危険児研究、分子生物学的遺伝学など科学的に厳密な方法論で行なわれました。

今日では、分裂病の原因は、「素因(脆弱性)+ストレス」仮説で説明されています。

人間は生まれながらにして、ストレスに弱い神経系(素因) をもっている人と、ストレスに強い神経系をもっている人とがいます。そして「弱い」人は思春期、青年期の発達課題をのりこえる過程で、発病してしまい、分裂病となってしまいます。「中程度に強い」人はそこはのりこえるけれど、成人期、中年期などで仕事においまくられ、荷重負担になると分裂病を発病することがあるのです。「強い」人は、相当のストレスがきても分裂病を発病せずにすむでしょう。このストレスには、家族環境もあれば社会的文化的環境のストレスもあるのです。
 

各研究の成果をまとめると以下のようになります。


 @遺伝的素因(例えば、親や兄弟が分裂病であるということ)は原因として無視はできないが、この素因だけでは発病しない。全く同一の遺伝子をもつ一卵性双生児でさえ、両方ともが分裂病になるのは、48%くらいで、これではとても遺伝病(遺伝病なら100%のはず)とはいえないのです。
実際の患者さんの家族歴をみてみても、81%は、親も兄弟にも分裂病患者がいないのです。

 A遺伝的素因が関与するとしても、それは遺伝病(何か一つの遺伝子が原因で発症する病気)のような単一の遺伝子によるものではなく、ほとんどのケースでは、複数の遺伝子と環境因子との相互作用で発現・発病するポリジーンモデルをとるものと考えられます。
 ポリジーンモデルというものは、心臓の冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞)とか、糖尿病と同様のものなのです。

 B人生早期(乳〜幼児期)の家族内の対人関係のゆがみは、素因をもつ人の発病を促進するけれども、逆にこの家族要因だけでは(つまり素因のない子どもは)、統合失調症にはなりません。

 Cその他のストレス、例えば覚醒剤やコカインや幻覚剤の使用などの外因的ストレスも発病促進的に働くことがわかっています。

 Dそして、分裂病になりやすい素因をもつて生まれてきた子ども(高危険児)は、幼児期・学童期から、情報処理や注意認知の微細な障害をもっていて、また、対人行動場面でも敏感で、非社交的で、学校での適応がよくないという傾向がみられることもわかってきました。つまり、分裂病を発病する前から、こういった微細な障害をもっていて、その上にストレスが重なると発病するということなのです。

統合失調症とは?

統合失調症とはどのような病気なのでしょうか?どのような歴史を経てきたのか、今現在どのように研究されてきているのかを解説します。

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